ダニには多くの種類があり、無害なものもあるが、ここでは人間に有害なダニについて、ダニ発生の原因と対策について探っていきます。
ダニがはびこる原因には3つのものが考えられ、その全部がそろってしまうと、大量発生するのです。まずダニのえさになるものがあり、隠れられる場所もあり、それからその部屋の温度が20~30度で、湿度が60~80%だということです。
高温多湿の場所では、とくにダニが大量に発生する元になるのです。またカビもダニの餌になることから、カビの予防もダニの予防につながるともいえます。
掃除をマメにしなかったり、畳の上にジュータンやカーペットの重ね敷きをしたり、室内の換気をしなかったりと、ダニが快適に生息できる条件下ではダニは大量に発生します。部屋で動物を飼っていたり、食べこぼしをつい放っておきがちだったり、また洗濯物をいつも室内に干していて湿度が高めだったりすると、ダニはどうしても発生しやすくなるのです。
部屋をいつもきれいにしておかないと、ダニの中でもホコリや人の垢、フケなどをえさにするものが発生してしまいます。従来では夏場がダニの繁殖シーズンでしたが、近年では冬場でも室内を高温に保つ家庭が増えこと、高気密、高断熱の住宅が多くなったなどの家屋環境の変化により、冬場でもダニが繁殖するケースが多くなっています。
ダニは至る所にいるものですが、夏場の押入れは要注意です。冬の間使っていた布団などがホコリやフケなどがついたまましまうようなことになると、夏にそこでダニが大量発生してしまい、さらにダニのフンや死骸が残ってアレルゲンとなってしまうのです。
そういうわけで、冬の布団類を押入れに入れるときは、きちんとホコリなどを取り除いてよく乾燥させてからにしましょう。早め早めに手を打っておいて、ダニを大量に発生させないようにしたいものです。
ダニがはびこることでもたらされる病気は様々にありますが、海外ではこんなことがありました。
ニュージーランドのある男性が、理由のわからない耳の異常と激しい耳鳴りにずっと2年間も苦しんでいました。病院で診てもらっても理由がわからず、はじめキーキーとなっていた音が、夜になるとさらに大きくなり、だんだん眠れないようになって不眠に苦しむようになりました。
やがて耳の中で変化が起きました。今度はひどいかゆみが襲うようになり、綿棒でしきりに耳の中をかきむしってもひとつも治らず、どんどんひどい状態になっていきました。
このとき男性は医師から2度も耳の中を洗ってもらいましたが、それでも症状は治まりませんでした。男性はもっと専門の医師の診断を受け、そこでようやく看護師が驚愕のものを見るにいたりました。
男性の耳の中には、小さなダニが半透明の球状でびっしりと湿った部分におり、さらにダニの卵が鼓膜と外耳道に密生していたのです。ダニの数は実に100匹にもおよび、男性はすぐにダニと卵を吸引して取り除いてもらいましたが、なんと残っていた卵が孵化して再発してしまったのです。
それから今度は微生物学者が、疥癬などに使うという薬を使って耳を洗浄することを勧め、それでダニはすべて除かれて、ようやく男性は長く苦しい症状から解放されたのでした。
この男性の仕事は鶏舎を洗浄することだったので、鶏のえさをあるときかぶってしまい、そのときにダニが入り込んだのかもしれないといわれています。
耳にダニがわくというようなことは特例かもしれませんが、ダニに関しての病気は結構恐ろしいものも多く、いずれにしてもよく気をつけておきたいことです。
ダニを寄せ付けないで、快適な家を保っていくためには、まずは掃除をきちんとすることが第一で、そんなダニを退治できる適切な掃除方法を考えてみたいと思います。
床掃除の場合、ダニが住みにくいという点ではジュータンなどよりフローリングのほうが適していますが、その掃除はどのようにしているでしょうか。
掃除機だけでなく、ワイパーも使ってほこりなどを取り去ると効果的ですが、このとき掃除機より先にワイパーをかけるとさらにいいのです。そのわけは、掃除機をかけるときにはどうしても排気がほこりやダニの死骸などを舞い上げてしまうため、きれいに吸い取ってしまえないからです。
先にワイパーをかけ、目に見えない小さなゴミを取り除いてから、その後掃除機で大きなゴミを取るようにしましょう。ダニを退治することを目的とした畳の掃除の場合、掃除機をかけるときは、とにかくダニ自身やダニのえさになるごみも丁寧に吸い取ることです。
その目安として、1平方メートルあたり20秒くらい時間をかけて掃除機をけ、それから畳にジュータンなども敷かないほうがいいのです。たたみとじゅーたんの間には湿気がこもりやすく、掃除もできないためにダニが住みやすくなるからです。
布団は天気のいい日にまめに干し、時間は2時をすぎると逆に布団が湿気を含む可能性があるので午前10時から午後2時の間が適当です。また布団を取り込むときによく布団をたたくことがありますが、たたいてもダニは落ちきれないばかりか細かくなって吸い込んだり肌についたりしやすくなるので、それは掃除機で吸い込むようにし、布団を干すことができないのであれば、コインランドリーを利用するといいでしょう。
ダニはぬいぐるみなどにも潜んでいるので、掃除機の細いノズルで丹念にホコリを吸い取るようにし、また洗えるぬいぐるみは洗ってしまうのがベストです。少しでもダニを遠ざけ、ダニの被害にあわないように家族を守るためには、毎日こまめに掃除をすることがなによりで、そのような意識を常に持つことを心がけたいものです。
数万種類もが存在しているといわれるるダニは、人間の生活と深く密着していて、ダニによりもたらされる病気は数知れません。家庭においては、主にチリダニ、ツメダニ、コナダニ、イエダニ、顔ダニといったダニが生息しています。
チリダニは、寝具やカーペットなど、ほこりがたまりやすい場所で大発生することのあるダニです。チリダニの糞やチリダニの死骸の破片がアレルギーの元となり、気管支喘息やアレルギー性鼻炎を引き起こす原因になります。
ツメダニは、室内では比較的数が少ないダニですが、ツメダニに刺されると、刺された時はあまり気づきませんが、その後1~2日もすると赤く腫れてかゆくなる症状がでます。
様々な食品、畳などに発生するのがコナダニです。コナダニそのものが人間に危害を与えることはありませんが、白い粉のような見た目で、壁や畳を覆いつくしてうごめいている様はぞっとするものです。
イエダニは、ネズミに寄生してその血を吸うダニですが、ネズミが死んだりして吸う相手がいなくなると、人間の血を吸うこともあるのです。イエダニが刺したあとはすぐに痒くなり、赤くただれてかゆみも続き、しっかり跡が残ります。
人の皮脂腺や毛根などに寄生しているのが顔ダニで、成人であれば約98%に寄生しているといわれています。このダニは、主に人の顔に寄生しているために顔ダニと呼ばれているのですが、それは人間の皮脂腺が顔にとくに発達しているからなのです。それほど数が増えさえしなければ特に害はないのですが、洗顔などを怠って繁殖しやすくなると、肌のトラブルへとつながります。
ダニがもたらす害は、アレルギーの元になるだけでなく、他の病気や犬猫などのペットにも病気をもたらします。
その中で、ヒセンダニというダニの一種が人にもたらす病気がありますが、これは皮膚の角質層内にそのヒセンダニが寄生してしまう感染症で疥癬(かいせん)といわれています。
ヒセンダニは、何千年の前から世界各国にいるダニで、フランス皇帝ナポレオンも疥癬にかかっていたという噂があります。
この虫が人間にくっつくと、毛穴の中にはいったり、皮膚に穴をほって人体に住みつきます。成虫は毎日卵をうみつづけるので、すぐに増殖して、ひどい時には何百万というヒセンダニが寄生することになります。
疥癬(かいせん)という病気は、とにかくかゆくて仕方ないことが顕著な症状で、布団の中にいたりして体が温まったときなどに痒くなるのです。赤い小さなぽつぽつ、しこり、がさがさが体、腕、脚などに見られます。特に体の柔らかい部分に細長い線状の発疹が出来るのが特徴で、これを疥癬トンネルと呼んでいます。
疥癬(かいせん)という病気の主な感染経路は、人から人へ、肌の接触で移っていきます。寝具などをつたって感染することもあるために、最近では老人ホームや寝たきりの患者さんが感染経路になっていることも多くいようです。
またダニがペットにもたらす病気がありますが、これには犬がマダニに刺されることで、バベシアという原虫が媒介され、それが犬の赤血球に寄生してしまうという病気があり、これをバベシア症といいます。
赤血球を破壊された犬は、ひどい貧血におちいり、重度の貧血になると、歯茎や舌が白っぽくなり血の気が無くなったり、オシッコが赤や黄色になったりするという症状が現れます。幼犬や老犬では死にいたることが少なくありません。
マダニに噛まれる可能性のある山や草むらに犬を連れて行かないことが、このようなバベシア症という恐ろしい病気にならないための最もいい予防法です。また丹念にブラッシングしてダニがついていないことを確認してあげるようにし、ノミ・ダニ予防用の首輪やスプレーなどを用いてダニから守ってあげることも大切です。